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パシフィカは居候先の青年フューレに似顔絵を描いてもらおうとするが、なかなか似ないため不機嫌になる。その頃シャノンは行方不明になったパシフィカを求め、王都中を歩き回っていた。そして王国軍のスレイもまた、廃棄王女のことを探していた…。
前回、特務部隊の長官から外されたバロネスは、追われるように執務室から去る。見送りにきたクリスに向かい、「自由とか平等とか、そういう事を真面目に言える人々が好き。それは私にないものだから・・・」と呟くバロネス。そのような人々を血で汚したくないため、バロネスはクリスたち特務工作員に過酷な運命を背負わせてきたという。「弁解はしないわ。私を憎んでくれても構わない」というバロネスだが、第十五話のコラムでも書いた通り、戦うための機械であったクリスたちに、人間として成長を取り戻すチャンスを与えてきた事も事実である。
カスール三姉兄妹と絡む事がないので出番が少なかったバロネスだが、彼女がどんな人間だったかは、オブスティネート・アロウの少年少女たちが悲痛な面持ちで見送るシーンに象徴されているだろう。「自分を信じて、自分の意志を大切になさい」というバロネスの最後の言葉に、「すてプリ」のテーマの一つである「自分で考える者と、自分の考えを放棄する者との戦い」という側面が色濃く出ている。
バロネスの後任となったルークは、クリスたちオブスティネート・アロウに「三日間以内に廃棄王女を捕らえろ」との指令を下す。タイムリミット内に捕らえられないと、オブスティネート・アロウは解散させられるという。 オブスティネート・アロウのメンバーは、身寄りのない子供たちが集められ、幼少の頃から戦闘技術を叩き込まれてきた。ファファルがジルの事を「ジル姉」と呼ぶように、身寄りのない彼らはバロネスを中心に擬似家族的な絆で結ばれていた。その部隊が解散させられるという事は、クリスに取っては家族を失うに等しい。バロネスに「誰かを護りたいと思うなら、あなたが盾になりなさい」と言われたクリスに、早くも試練が訪れた。
一方、セーネスたちも生きていた。移動要塞スキッドを沈められたものの、ナタリィの導きにより無事ギアット帝国へ逃げ延びていたのだ。ピースメイカーへの反撃を誓うセーネスたちの前に立つ巨人は一体、何なのか。
一方のパシフィカは、フューレとの平穏な生活を満喫していた。すまし顔で似顔絵を描いてもらうエピソードが微笑ましい。フューレが描き終わった後、モデルになっていた声をあげて姿勢を崩すリアクションを見るにつけ、彼女は相当、ジッとしている事が苦手なようだ。この似顔絵が、第二話で王国軍兵士の持っていた手配書と同じというのも芸が細かい。 隣室の夫婦喧嘩の喧騒を聞きつつ、夫婦湯のみでお茶を飲むフューレとパシフィカ(息子が異教検察管だというお隣の夫婦は、もしかして・・・)。パシフィカいわく、「いいね、こういうの」という静かな幸福が破られる。
軍の探索が迫っている事を伝えに来たレオとウイニアは、パシフィカが廃棄王女であるという事実を明かす。目的地の決まらないまま、パシフィカを連れて逃げるというレオに対し、「気概だけで切り抜けられる程、軍は甘くない」と言い放つフューレ。 パシフィカが廃棄王女であるという現実を受け止め、どんな過酷な運命からも護ろうとするレオ。かつて軍に所属していたが故に、状況の過酷さがレオの想像を上回っている事を理解しているフューレ。二人の間に立ち込める緊張感を、突然の来訪者が破る。 フューレを軍に呼び戻すべく尋ねてきたスレイは、ルーク率いる特務処理班《ブラック・ホーク》の一員として、第三話に登場している。その口から、フューレがかつて《ブラック・ホーク》にいた事が明かされる。スレイに「血まみれのお前が普通に生きられる訳ないだろう」と言われるフューレの過去には、一体何があったのか・・・。
軍に戻る事を拒むフューレに「達者で暮らせ」と言い残し、その場を去るように見せかけながら、パシフィカを発見した事を報告するスレイ。諜報部隊である≪ブラック・ホーク≫のプロフェッショナルな非情さが垣間見える。そして、そこに所属していたフューレも、スレイの行動をやすやすと見過ごすとは思えない。多くの人々の運命を巻き込んで、今、パシフィカのかりそめの安息が破られようとしている。
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